その古い木箱は、なんと「タイムカプセル」だった!

2001年
タイムカプセル物語

Last Update
2001.01.12


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家の建替で仮住まいに引っ越した時、旧家の押し入れから
古くてカビ臭いカステラの木箱が出てきた。なんとそれは、
ボクが中学生の頃に作った「タイムカプセル」だったのだ!


タイムカプセルの外観

それは、古い「カステラ」の木箱だった。タテ270ミリ、ヨコ120ミリ、深さ80ミリの大きさである。
側面に「1974・隆 中二時代」と書いてあり、27年前のボクが作ったモノだということが判る。


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タイムカプセルの上面
27年前から、ボクは字が下手だ
タイムカプセルの裏面

笑ったのは、タイムカプセルの裏側の記載である。
マジックで「西暦二千年開封予定」と書いたあと、こっそり「一」を書き加えてあった。

21世紀は2001年から始まる …… ということに、きっとあとから気付いたんだと思う。


タイムカプセルの開封

木箱のフタには、ベッタリと「木工ボンド」が塗りたくってあり、
カチカチに固まった半透明のそれは、手では絶対に開けることが出来ないものだった。

カプセルの開封は、マイナスドライバーの先を慎重に金づちで叩く、という方法で行なった。


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開封前の記念撮影。

「ここから開けろ」と言いたげな矢印マークがあるが
27年前のボクは、後世、これを開ける人の苦労を
考えなかったのだろうか?(^_^;)

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タイムカプセルのフタを開けたところ。

中には、27年後の自分(つまり現在のボク)宛ての手紙と、
なにやらビッシリ、ティッシュで包まれた品物が入っていた。


タイムカプセルの中身 (1)

ボクは震える手で、タイムカプセルの中身をひとつひとつ取り出していった。


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ひとつひとつの内容物は、小さく折り畳まれ、記念切手用と
おぼしき「ビニール袋」に入っていた。

ひょっとして内容物が「風化」することを恐れたのか?(^_^;)


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最初に大笑いしたのが、この三品。

  「当時のティッシュペーパー」
  「当時のダスキン」
  「当時の輪ゴム」

こんなものが21世紀には貴重品になると思っていたらしい。


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葉っぱと貝の化石。
添付のメモに「うら山から出て来た」と書いてある。

そういえばボクは、ある時期確かに、地質学者になりたくて、
一生懸命に土を掘っていた記憶がある。


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これは「縄文時代の土器のかけら」。本物かなぁ?(^_^;)

添付のメモには、「学校の工事中のところから出てきました」
と書いてあった。


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これはどうやら、鉱石のサンプルのようだ。

メモ書きがなかったので詳細は不明だが
地質学者の「コレクション」だったのかも知れぬ。     


タイムカプセルの中身 (2)

引き続き、次から次へと内容物を慎重に取り出していく。


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2種類の「知恵の輪」。

これは確か、死んだじいちゃんが買ってくれたモノだ。   
マッチ箱の中に、大事そうに入っていた。


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上から順に、
    ボールペン (メーカー不詳)
    HBの鉛筆 (三菱製)
    2Hの鉛筆 (トンボ鉛筆製)
    バーミリオンの赤鉛筆 (トンボ鉛筆製)
    それから、なぜか「自作の紙鉄砲」
    
一体どうして、こんなモノを入れたんだろう?(^_^;)    

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封筒には「記念コイン」と書いてある。
    ダイヤモンドフェリーの乗船記念ペンダント
    大阪万博の記念硬貨 (100円玉)
    古い一銭硬貨
    あとは、外国のコインのようだった
    
これも、死んだじいちゃんの思い出の品なのかなぁ?(^_^;) 

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きたない財布と、中に硬貨が9枚。全部で35円あった。

硬貨の種類は10円玉・5円玉・1円玉の3種類だが、これら
27年前の硬貨が、21世紀の現在でも「現役」だということに
ちょっと感動してしまった。


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ご存知、「スーパーボール」! ボクは、これが大好きだった!

この白いプラスチック箱は、確か風邪薬(顆粒タイプ)の箱である。

ボクはよくこの箱を加工して、鉱石ラジオなどを作ったものだ。
カッターナイフで掘った穴は、ポリバリコンの取付穴に違いない!

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新品の「消しゴム」と、なぜか「西郷輝彦」の顔写真。
当時ボクは、テレビドラマ「どてらい男」の大ファンだったのだ!

♪♪男歩けば〜、落ち目に当〜たる〜、くよくよするなよ〜、
ここらが根性! どうせ一生、嗚呼、どてらく生きにゃ〜!



タイムカプセルの中身 (3)

タイムカプセルの「底」の方には、何やら「書類関連」らしき内容物が納められていた。

嵩ばらないモノから先にカプセルに納めていくのは、子供とはいえ「理にかなった」方法だと思う。


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中学1年生の時の「成績表」と、「読書感想文」。

当時のボクは、全然勉強しないくせに、案外成績が良かった。

その後の、高校時代からの「落ちこぼれ」人生を、27年前の
ボクは知る由もなかったのである(^_^;)

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中学「セミナー問題用紙」の切り抜き。

「とじこんで保存し、繰り返し練習しよう」と、印刷されている。
こんなモノ、タイムカプセルに入れて良かったのか?(^_^;)


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エッチングによる「工事現場」の風景画。結構、上手いじゃん?

確か透明なプラスチック板を、上からニードルと呼ばれる針で
引っ掻いて、インクの染み込む溝を掘るのだった。

あの「キュルキュルキュル…」という音が懐かしい。


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当時の「学習計画ノート」の切り抜き。

「9月11日、水曜、くもり。水泳のクラスマッチがあった。結果は
よくなかったけど、みんなでがんばれてよかったと思っている。
女子は棄権しすぎだと思う。」

きっと、口をとがらせ「真面目に」抗議していたのだろう。当時は
女の子の身体のことなんて、全然知らなかったもんなぁ(^_^;)

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これは、当時流行った、英語のサイン(筆記体)の練習。

なんと! 戸田プロダクションの丸い (TT) マークが描いてある!
うむ、これは歴史的にも極めて貴重な文献だ。


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一番最後に出てきた、ラジカセのカタログ。

いやぁ、これには泣きました。 National COUGAR シリーズ No.7の
RF-877 「狙えクーガ」18,500円、である。ボクは このラジカセが
欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて、結局買ってもらえなかった。

確か、「同じものを自作してやる!」と、かなり本気で考えていた
ような記憶が、不意に蘇ってきた(^_^;)


27年前のボクへ

以上が、タイムカプセルに納められていた「内容物」のすべてである。

もう少し「子供らしい」モノが入っているかもと思っていたが、案に相違して結構「学術的」な
センを狙っていた「らしい」ことに我ながら正直驚いた。たぶん、1970年大阪万博において
5000年後の未来に向けて保存されたタイムカプセルに、影響を受けているのだろうと思う。

27年後(つまり、現在)のボクに宛てられた「手紙」だけは、当然ながら、ここでは絶対に公開
するつもりはない。代わりに、あの手紙の中で27年前のボクから「質問」を受けていたことが
あるから、ここでそれに答えてみたいと思う。



  << 27年前のボクへ >>

   素敵な「タイムカプセル」をどうも有難う。とても楽しくて、とても嬉しかった。  

   世の中というのは、結構大変なものだ。しかし、だからこそ「面白い!」のだ。
   みんな、自分の「夢」の実現に向けて一生懸命頑張っている。キミも頑張れ!

   自分の「夢」を叶えるために、自分の「やりたいこと」をやれ! 生意気なとこを
   少しだけ直せば、キミには十分その素質があると思うぞ。ボクが保証する(^_^)。

   じゃあな。21世紀にまた会おう。                  (TT)


2001年・タイムカプセル物語 (完)
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